とある飛空士への追憶

ファナを皇子の元につれていくの巻。

地球を元というか、文明崩壊後に再建したらしい世界を舞台にした架空戦記的な物語。
というか、これは良きジュブナイルですよ。

皇子のたてたバカな作戦を見た目だけでも取り繕うために、無茶な作戦を命じられたある飛行士の物語ですよ。
辞退も出来たのに引き受けた理由が、昔、短い時期に仲が良かった姫のためっていうのは良い!すごく良い!
そして、不埒なことが合ったら処刑するって言う、軍のというより皇子の本性というかゲスな所がたまらん!

ピンチよりも、シャルルの人間性に徐々に姫が惹かれていくけど、踏みとどまろうとするところなどはかなり良いものですよ。
空戦も良く描けてるし、架空世界だからインメルマンターンが違う名前になっているのも好感触。
シャルルだけではなく、敵の飛行士も騎士道精神を持っているというか、個人ではあまり戦争をしたくないと言う感じが良いですよ。

エピローグのぼやかし具合というかも、その後を想像させるのに一役買ってるし。
このエピローグを読んで、口絵のデザインの意味が分かったり。これは色々と考えてあって良いですよ。
出来れば、2時間ぐらいの映画で一気に見てみたい作品。どこかで映像化しないかなぁ…

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)