ハツカネズミの時間(4)

心くらいは強い人間になりたいんですの巻。

おお、ちゃんと完結するのですな。
途中で、あの学校からの脱出が成功しちゃったからどうなるのかと思ったら、やはりまた戻ることになるのですな。
ただ、裏で動いていたことのおかげで、いろんな事がなし崩しに起こっていく感じですよ。
高校生にとっては無力さを感じる流れですな。

冬目作品の中でも一番収まりどころが分からなかったというか、色々とふらふらした作品でしたな。
2巻くらいまでの学校脱出劇まではかなり緊迫感があったんだけど、その後から話の雰囲気ががらっと変わった感じですよ。

全部読み終わった後もなんか落ち着かない感じ。
こんな感じを味わったことあるなあと思ったら、恩田陸作品の読後感に似てるんだ!
読み終わっても感情が閉じないと言うか、微妙に不安になる要素がちりばめられてるというか。

他の人たちは何となく語られてはいるけど、みんなと別れた茗は心が強くなれたのかな?
それが少し気になりますよ。

ハツカネズミの時間(4) <完> (アフタヌーンKC)

ハツカネズミの時間(4) <完> (アフタヌーンKC)