敵は海賊・正義の眼

おまえの主義や主張や正義は全部借り物だ!の巻。

いやはや10年ぶりの新刊ですよ。
もう書かないかと思っていたシリーズなのでうれしい限り。

今回は、今の時代を反映した話になっておりますな。
ラテル達はいつもな感じなんだけど、ヨウメイ(漢字が出ない…)は今までの戦略では勝てない相手が出てきてイライラしてて面白い。
この、相手って言うのは多分、ネットとかの匿名性とかの悪意がモデルなんだろうなぁ。
一人を処分しても、拡散されているネット世論みたいのがある限り殲滅できないッてことなんだと思う。
それを倒すために、一応の敵であるモーチャイに自分と同じ事をさせようと言うのが皮肉が効いていて良いなぁ。
体はあるけど、透明な存在になって犯罪を犯すって言うのは、やっぱりネットの匿名性のカリカチュアっぽいし。

久々の海賊課シリーズを堪能したけど、今回のラテル達は活躍と言うより振り回された狂言回しですな。
なので、彼らが大活躍する話も読んでみたかったり。

敵は海賊・正義の眼 (ハヤカワ文庫JA)

敵は海賊・正義の眼 (ハヤカワ文庫JA)