秒速5センチメートル

遠く離れていても私たちは繋がっていると思っていたの巻。

新海誠氏の新作アニメ。

前作まではかなりSF的な要素を入れた大風呂敷な世界だったけど、今回はそういう部分をそぎ落とした感じですな。

主人公は同じで3編の短編にしたのは上手くいっている感じ。話が年代毎に分けてあるというのはもちろん、美術とかレイアウトも変えている感じで面白かった。

1話目は、実家のそばの駅が出てきて「そうそうこんな感じ」と思ったり。東京から1時間ちょいなんだけど、かなり何もなくなるのですよ。なのであのナレーションでにんまりしましたよ。
話の方は、最後まで見てみると、あの一話目は実際の話なのか、妄想なのか考えてしまいますな(笑)子供の頃に関しては、事実なんだろうけど、栃木に会いに行ったのはどうなんだろうなぁ。あの、劇的な吹雪が結構怪しいとは思うんだけどね…

そう考えてしまうのも、2話目のあの台詞がね、かなり引っかかりますよ。
あれさえなければ、そこまでは考えなかったんだけど。
しかし、あの報われなさすぎる恋も辛いですな。告白する前に泣いちゃうって。センチメンタルきわまれりですな。

そして、3話め。山崎まさよしの曲を使うというので予想をしてはいたんですが、とてもビターな幕引きですな。あの2年間つき合ったっていう彼女が、結構気になったり。

なんだろ?今までは、意外と離れていてもやっていけるよ、愛があれば!的な話が多かったのに、今回はそこら辺を完全に否定するような展開でしたな。
面白い、というか、結構好きなタイプの話なんだけど、ちょいと新海氏の心境が気になったり。

何か嫌なことがあったのか(笑)

しかし、美術や3Dとの調和のすばらしさが格段に上がっていましたな。次回作も今から楽しみですよ。