犬神家の一族

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助清が面長の顔に!の巻。

1976年の石坂浩二×市川崑で大ヒットした金田一耕助映画のリメイク版。
といっても、普通のリメイクではなくて、シナリオや画面のカット割り、演出などがほとんどそのまんまで撮り直してあったりする。パンフレットに書いてあったけど、舞台演劇の再演に近いのかも知れない。
かなり好きな映画で何度も見ていたので、あまりの再現ぷりに笑ってしまうシーンもあったり。演技の方も、前作の役者の演技を再現してる人、あまり気にしてない人が入り乱れていて面白かった。
でも、前はセットのみの撮影だった部分の背景をデジタルで足していたり、犬神邸の全景をCG(だよね?)でカットインしていたりと、今の技術を利用してブラッシュアップしているシーンがあったり、モノラルから5.1Chになったおかげで、同時に言い合うシーンの二人の台詞が聞き取りやすくなったりと、技術の進歩を感じるところもあったり。アバンで那須にやってくる金田一のシーンは、街並みまでそのままで、凄いと思ったら、背景はほとんどデジタルで書き換えてあるらしい。なんて贅沢な!
なんて思っていたら、菊人形の生首とか、湖の逆さ死体とかは、作り物感バリバリで、前作を再現していたりして思わず笑ってしまったり。そんなとこまで再現するのかと(笑)

話は、まあ前作のままなので、新たな驚きとかはないんだけど、結構過去の説明部分とか、あまり必要のない人の台詞とかをカットしていて(犬神家の婿たちとかね)、どちらかというと、親子の情みたいな部分をクローズアップしてるような感じがしたなぁ。

今回の珠世@松嶋菜々子はかなり心の強そうな感じだったりと、前作と受ける印象が微妙に違うところがおもしろかった。しかし、今回のエピローグはちと蛇足な感じがしたなぁ、まあ、みんなを出したいのは分かるんだけど、猿蔵が笑うとは思わなかったんでちとびっくり。あんなキャラだっけ?

全体的には、あの中途半端にアレンジしたBGM以外はかなり楽しめた。こういう映画が流行るのは困るけど、たまには良いのかなってかんじ。

↑1976版の綺麗な奴。前作見てからいくと、かなり楽しい。間違い探しな感じ。