くもはち
偽怪談記の巻。
大塚英志の民俗学者シリーズの三作目。
といっても、自分はこれと木島日記しか読んでないけどね。その木島日記シリーズが面白かったので、こっちも購入してみたり。
これは、あたりだった。基本的に実際の話に嘘が混じってるようなタイプの話が好きなので、こういう、実際の人々が関わり合いつつ、怪談が出来上がっていくというのが、楽しかった。
そもそも「くもはち」って八雲の逆さ読みだしね。
語り部の「むじな」も元は写真屋がのっぺらぼうになったって言う、人を食ったような設定も良い。
出てくる人物も、夏目漱石から柳田国男、田山花袋にコナン・ドイルと様々。しかも、実際に彼らが著作した物語に関わるような怪異が発生するんだからたまらない。
個人的には、田山花袋の話がすき。ろくろ首の話なんだけど、確かに「蒲団」も元ネタになったかと思えば、ありそうな話だったり(笑)田山先生のろくでもない感じも楽しかった。
最後の、コナンドイルの妖精話もあの写真が実際に流行ったのをうまいこと取り入れられてて楽しい。しかし、くもはちの正体が明らかになるとは思わなかった。
でも、この調子で続きそうな終わり方だったので、一安心。このまま、この二人の活躍を続けてほしいなぁ。
そう言えば、森鴎外の話って、マンガ版にあるのかな? そっちもよんでみようかな?
- 作者: 大塚英志,FISCO
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2005/12/21
- メディア: 文庫
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