暗黒館の殺人 限定愛蔵版

発売日に限定版を(予約してまで)買ったのに今まで積んでたのを、ようやく読了。
二年積んでた…

やはり、上下あわせて約1300頁っていうのは、時間がないと読めないよね。
でも、最近「びっくり館の殺人」やら「月館の殺人」なんぞを読んでたら、中村青司熱が高まってきたので、読み始めたり。

いやあ、凄い。上巻はあまり事件なども起こらず「暗黒館」内と浦登家の秘密なんかをメインかと思いきや、最後に納得。そのための伏線だったのね!
惜しげもなく、大量のトリックを仕込んだ「完結編」っぽい作りだなあ。
錯視が錯視を読んでるというか。時代に関しては分かったけど、それは導入みたいな、入れ子状のなぞが、すごい気持ちいい(笑)

おまけに、今までの中村青司作な「館」が、ストーリーに有機的に絡んでくるところなぞは、ずっと読んでるファンはゾクゾクするんじゃなかろうか。
これは、どうよ?という人がいそうな設定だけど、自分的には大好き!「時計館」とか「人形館」とかもあるんだし。

ほとんど、鹿谷門実やらが出てこなくても、まさしく「館シリーズ」だった!
うーむ、しかしこの終わりだとゲーム版「YAKATA」にも繋がりそうな感じで、怖いなぁ…

下巻を読んで、愛蔵版がこういう装丁なのに気がついたり。さすが、ちゃんと意味があったのね。

これからは、「びっくり館」とまでは行かなくても、もう少し軽い分量のシリーズが読みたいかなぁ(笑)

暗黒館の殺人 (上) (講談社ノベルス)

暗黒館の殺人 (上) (講談社ノベルス)

暗黒館の殺人 (下) (講談社ノベルス)

暗黒館の殺人 (下) (講談社ノベルス)

↑限定版がないので、ノベルス版で。
愛蔵版の方には連載時の喜国雅彦氏の挿絵と対談を納めた画集がついてたり。