失はれる物語
これ、ハードカバーのときに何で買わなかったのか、最初の短編よんで思い出した。
↑な理由だ。スニーカー文庫の短編集、全部持ってるし。
しかし、このチョイスはすごいな。どの短編も切なくなる物ばかり選んである気がする。ただ、その中に少しだけ前に進む勇気が、見えるというか。自分は、ホラーな方から入ったんで、スニーカー文庫の短編よんで「こっちの方がいいじゃん」と、思ったり。乙一氏のホラーは、不条理めいた感じがして、読後にものすごくいやな気分になるからなぁ。
今回、初めて読んだ「マリアの指輪」は、途中で犯人が分かるものの、推理物ではなく、その後の主人公の切なさが、胸にぎゅーと来る感じ。事件を解決することで、大事な人を2人とも無くすというのは、嫌すぎる。テイストは違うけど「TRICK」とかの、後味悪い話に似てるかな。
ボーナストラックなパンツの話は、トランクスで読みたかった! 媒体のことをちゃんと考えた物語で、当時あたった人には良き宝物になると思う。
最後は、お得意の架空な彼女物。これは友人の話が切ない。しかし、いろんなバリエーションを考える物だなぁ。
最近、殺伐とした物が多かったんで、文庫版とはいえ、落ち着く一冊。もう少し、こういうテイストを増やしてくれないかなぁ…
- 作者: 乙一
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/06/24
- メディア: 文庫
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